もうイヤだ~、ふるさと納税の上限額をめぐるこの表現、こうしてほしい!2024年
こんにちは。
東京都杉並区下井草、気軽な税理士、草野岳(くさのがく)です。
簡単そうで奥の深い、ふるさと納税
そのなかで関心が高いのは
・上限額
その人にとって、最大の節税効果となる
ふるさと納税がいくらなのか、目安となる金額のことです。
ところが、何をもって上限なのか、分かりにくい。
なぜ?
給与年収300万円の上限額
ネットで調べると
例えば28,000円とでてきます。
ところが、所得税の寄付金控除(ふるさと納税を含む)
上限は「所得の40%」です。
40%にぜんぜん達してないのに、上限28,000円て、どういうこと?
給与年収300万円の方の所得とは?
300万円から基礎控除、給与所得控除、社会保険料控除など
各種控除を差し引くと所得です。
仮にこのケースの所得を100万円とします。
この所得100万円の40%は、40万円
400,000円が所得税における
寄付金控除の上限(ふるさと納税を含む)です
400,000円までなら控除できるんじゃないの?
ふるさと納税 28,000円上限? 意味不明 となります。
この上限28,000円とは、何を根拠にしているのでしょうか
答えは、
住民税の、ふるさと納税、控除限度額にあります。
つまり
一般的に言われている「上限額」とは
住民税について最大の節税効果となる場合の
金額です。
このことを、必ず書いてほしい!(笑)。
例えば、こんな感じ・・
・ふるさと納税は、寄付金控除の1つです
・所得税の寄付金控除の上限は、所得の40%までです
・ただし住民税の寄付金控除の上限は、所得税より少なく
所得割額の20%までです( 具体例は後述 )
・ここに記載する上限額は、
住民税の寄付金控除の上限を示しています
この上限額を目安にふるさと納税していただくと
所得税と住民税の両方で、
すべて控除され、最適な控除を受けられます
(備考)
上記のとおり、
所得税の寄付金控除は
所得の40%まで可能です
しかし、所得税の上限に達していなくとも
住民税の寄付金控除の上限を超えている場合、
その超えた部分は、住民税計算から控除されません
ちょっとクドイですが、こんな感じでしょうか(笑)
結論まで長くなりましたが
ネットでのふるさと納税の「上限額」についての説明
の中で書かれる
控除の対象となるのは所得の40%です
という文言、もうイヤだ~
いえ。もちろん、よくよく記事を読めば
所得税と住民税、きちんと分けて書いてくれているのですが・・
上記のような「上限額の根拠、前提を示すような文言」入れてほしい~~、
ということで
最後、
この上限額(住民税を考慮した場合の)について
具体例を書いておしまい、にします。
【住民税を】考慮した場合の「ふるさと納税」上限額
設例
・3,000,000円(給与収入300万円のみとする)
△980,000円(給与所得控除 / ※1一番下)
△430,000円(住民税計算における基礎控除額)
△450,000円(社保保険控除 / 給与収入の15%とした場合)
=1,140,000円(住民税計算における所得金額)
・1,140,000円×10%(住民税率)
=114,000円(←所得割額)
※後述するとした「所得割額」とはこの金額のことをいいます
【ココが重要】
所得割額の20%が、
住民税から控除できる
金額の大半となります。
具体的には、下記のとおりです。
・所得割額114,000円×20%(住民税の特例分の税額控除限度割合)
=22,800円(特例分)①とします
なお、
上記( )内に特例分と書いたとおり
住民税から控除できるのは、特例分のほか、下記の基本分もあります
・28,000円(ふるさと納税を28,000円した場合)△2,000円(2,000円は常に控除対象外)
×10%(住民税率)
=2,600円(基本分)②とします
【ココも重要】
上記では、
28,000円を「ふるさと納税した金額」としました。
給与収入のみ300万円の場合
ネットの「ふるさと納税」シミュレーションでは
上限額28,000円と記載されていることがあります
シミュレーションが正しいか
検証する意味で、28,000円ふるさと納税したと仮定して書きました
・28,000円△2,000円×5%(給与収入300万円の場合の所得税率 / ※2一番下)
=1,300円(所得税からの控除分)③とします
①から③を合計すると26,700円
この26,700円は何かというと
上記ケースで(給与収入300万円、ほか上記の前提だった場合)、
28,000円ふるさと納税した場合に、
控除された(できた)金額
です。
ふるさと納税した金額のうち、
2,000円は常に控除対象「外」ですので
今回ケースで
ふるさと納税を28,000円し、
控除対象「外」の2,000円を差し引いた
26,000円が、控除対象になっていれば
ネットで紹介されているシミュレーション金額が正しい、となりますが
26,700円という金額
確かに「ネットで紹介されている」上限額 28,000円 に近いですね!
繰り返しですが( クドイですね! )、
2,000円は常に控除対象外ですので
28,000円ふるさと納税し、
26,000円が控除対象(28,000円△2,000円)になっていれば
ネットで紹介されているシミュレーション金額は合っていることになります
近い! 合っているといえるでしょう。
ということで検証もおしまい
※1 給与所得控除額
給与収入3,000,000円の場合(収入×30%+80,000円)
※2 所得税率5%とした根拠
所得控除が、下記3つのみとする場合(所得税法における控除金額)
基礎控除48万円
給与所得控除98万円
社保控除45万円(給与収入の15%とした場合)
・控除計191万円
給与収入300万円△控除計191万円=所得金額109万円(所得税法上)
・所得金額195万円未満 ∴所得税率5%
・・・・・
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(経歴)
大手会計専門校で
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・適度な現場へのダメ出し/過度なダメ出し
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