個人事業主 / インボイス2割特例への対応
こんにちは。
東京都杉並区下井草、気軽な税理士、草野岳(くさのがく)です。
インボイス制度が導入され
大きな影響を受けるのは、個人事業主、フリーランスと言われています。
最近、インボイスについて聞かれることが多くなってきました。
最終的に「登録したほうがよいのか」という内容ですが、
ポイントは、
「なぜ登録したほうがよいのか」
「なぜ登録しなくても大丈夫なのか」
理解することです。
理解できれば
登録する、しない、の判断を、自信をもってできます。
そのための1歩目は、個人事業主(フリーランス)の方が
自身の属性を見極めることです( 大げさに書きましたが難しくありません )。
1.あなたの個人事業主(フリーランス)としての属性
一言でいうと、
皆さんの取引先(お客様)は、
個人(一般消費者)ですか、会社(企業)ですか、
判別してください、となります。
(お客様が個人のケース)
例えば、
飲食店、美容室、理容室
リラクゼーション、整骨院
歌手やアーティスト(大手事務所に属していない)
地域の子供向けスポーツのコーチ
家庭教師など
の方であれば
お客様のほとんどは、
個人(一般消費者)ではないでしょうか。
このケースでは、「インボイス登録しない」
でも基本的に大丈夫です。
理由は最後に書きます。
(お客様が会社の場合)
例えば、
フリーランスの
企業向けプログラマー、予備校の講師
企業向けデザイナー(Webデザイナー、ファッションデザイナー)
企業向けコンサルタント(飲食、経理・財務)など
の方であれば
基本的に「インボイス登録したほうがよい」でしょう。
理由は最後に書きます。
2.インボイス2割特例への対応
大きな影響を受ける個人事業主やフリーランスへの配慮措置として
導入される特例です。
仮にインボイス登録した場合
これまで消費税を納める必要のなかった個人の方も
確定申告して消費税を納める必要がでてきます( 所得税だけでなく )。
例えば、年商800万円のコンサルタントのケースでは
800万円から各種経費や控除を差し引いた、所得に対する
所得税だけでなく、
消費税の納税も発生します。
コンサルタントの場合、旅費、機材など経費がかかるとはいえ、
800万円の年商に対して、800万円以上の経費が常時かかることは稀でしょうから
消費税の計算方式は、簡易課税を選択することになるはずです。
この場合
800万円 × 消費税10% = 80万円 ÷ 2(50%) = 40万円
が消費税の納税金額となります。
しかし、2割特例を活用すると
上記80万円の2割
つまり、80万円 × 20% = 16万円
の消費税の納税で済みます。
もちろん、消費税の納税義務が無かった方が
いきなり16万円(年額)納税することになりますので
インパクトは大きいですが、40万円に比べれば低く抑えられています。
そのため
現在、消費税の免税事業者の方で、インボイス登録する場合は
2割特例を利用したいところです。
(備考)
令和5年10月1日開始時からインボイス登録した場合
令和5年分については、10月から12月の3ヵ月分のみ、消費税の計算対象になります。
令和6年分からは、年間を通して消費税が計算対象になります。
3.インボイス登録したほうがよい、しなくて大丈夫の判断
もちろん国はインボイス登録を推奨していますが
登録しなかったからといって罰則はありません。
インボイス制度は
そもそも、事業者の消費税納税を
これまで以上に適切に実現しようという仕組みのことです。
商品やサービスの販売には、消費税を付加しているのだから
お客様から預かった消費税を
きちんと国に納税するよう、細かく制度化したものです。
そのため
お客様に不利がなければ、登録しなくてよいですし
お客様が不利になるようであれば、登録したほうがよい
というイメージになります( あくまで私見として )。
お客様が個人(一般消費者)の場合
そのお客様が確定申告して消費税を納める必要はありませんから
お客様は不利にならない
つまりお客様が個人のケースではインボイス登録しなくて大丈夫
お客様が会社の場合
そのお客様(会社)は決算申告納税において
消費税を納めることも多いでしょうから(大企業の場合は必須)
インボイス登録を自身がしておかないと
会社が自身に払う消費税が会社経費にならない( これにも緩和措置があります )
つまりお客様が会社のケースではインボイス登録したほうがよい( 会社不利を防止するため )
(補足)
会社不利になるから、ということでインボイス登録の強要などがないよう
一定のルールも定められています。
なお
本則課税という消費税計算方法では
仕入や経費の金額に含まれる、支払消費税は
商品やサービス販売の際、お客様から預かった消費税からマイナスすることができます。
つまり、払った消費税は、預かった消費税からマイナスできるので
その分、納税すべき消費税は減ります。
※払った消費税、もらった消費税を実額で算定して、消費納税額を確定
上記例で取り上げた
簡易課税という消費税計算方法では
商品やサービス販売の際、お客様から預かった消費税に
このぐらいは経費にかかる消費税があっただろう(みなし仕入率といいます)
ということで、業種によりますが、一定の割合の消費税を減額できます。
※消費納税額をみなし計算で確定
本則課税、簡易課税、どちらが良いかは
個々のケースで違いますので、この記事では割愛します。
いろいろな視点が入っている制度ですので
その方にとって、どの視点が必要なのか違います。
もっと詳しく知りたい方は、お問合せください。
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