その先の注意点:インボイス2割特例の対象となる事業者:重要だが、ややムズカシイ:できるだけかみ砕いてご説明します

こんにちは。

東京都杉並区下井草、気軽な税理士、草野岳(くさのがく)です。





今回は



これまで書いてきた内容の



その先を書きたいと思いますので



途中まで駆け足となりますが、復習ということでご容赦ください。







インボイス制度が開始され、



いよいよこの制度のもとで



決算を迎える事業者も増えてきました。







そこで、特に、



2割特例の対象となる事業者に向けて、注意点



書いていきたいと思います。











【2割特例:復習】



インボイスの登録事業者になると消費税の納税義務者になります。



これは、従来記事で説明してきた点です。






2割特例とは、



免税事業者として継続できる要件は揃っているものの



あえてインボイス登録事業者(課税事業者)となった場合



消費納税の急激な事業者負担増を抑えるための、優遇措置といえます。








例えば、



消費税計算のうち、



簡易課税を選択しているサービス業の事業者では



1,000万円の課税売上高に対し、50万円の消費納税が発生しますが、



2割特例を選択できる事業者では、同じ1,000万円の課税売上高の場合、



20万円の消費納税で済むことになります。















【2割特例の対象とならないケース】



上記でも触れましたが



免税事業者として継続できる事業者が



あえてインボイス登録した場合には2割特例が適用できる



と考えてよいです。









しかし、



これまで継続して事業をしてこられ



インボイス制度を契機として登録事業者になった場合、



基準期間(2事業年度前)の課税売上高などの要件によっては



2割特例が受けられないケースがあります。





この点には注意が必要です。
















【その先の注意点:2割特例の対象事業者】



2割特例を選択できるからといって、



必ずしも2割特例が納税者有利とは限りません。



ココがこの記事で伝えたい1点目








例えば、



事業開始と同時にインボイス登録し



2割特例を受けることのできる条件が揃っていたとします。







ところが



事業開始年度



思うように売上が立たず



経費ばかりかかってしまい赤字となるケースもあるでしょう。







このような場合、



2割特例を適用しないほうが有利となる可能性が高いです。









(1)あえて2割特例を適用しない場合の注意点



あえて2割特例テキヨウしません!



と宣言するだけで、有利になるわけではありません。








具体的には、



本則課税といい



日頃から厳格な会計処理(消費税の課税区分の処理ほか)



をしている前提があって、2割特例を適用しない選択をする



必要があります。







ちなみに、



その反対は可能です( 日頃から厳格な会計処理をしていて、やはり2割特例を適用します、という選択はできます )。










話を戻し、つまり、



最初から2割特例ありき、で、



簡便な会計処理をしてきて、決算、申告のときになって、



やはり本則課税(厳格な会計処理)が有利、と気がついた場合には



期首からすべて会計処理を見直す必要がでてきます。










そのため、



まだ決算日まで期間があり



もしかしたら2割特例より本則課税が有利かも



というケースでは、期首から厳格な会計処理にしておく



こんなことを検討、実行しておくことをおススメします。











具体的にどんな処理をすればよいのか・・



ネットで、本則課税で調べることもできますし、



私にお問合せいただいても、もちろん構いません。











(2)2割特例を適用しなかった「次の事業年度」以降の注意点



繰り返しになりますが、(1)も、この(2)も



2割特例の対象事業者を前提とした説明です。







例えば、



たまたま事業開始年度が赤字だっただけで



事業開始2期目以降、大きな黒字となる場合には



2割特例を適用するか、簡易課税選択するかどうか、



判断が必要になってきます。









ここまでを整理すると



・1期目、2割特例の対象事業者だけど、適用せず、本則課税



・2期目、2割特例の対象事業者なので、2割特例または簡易課税選択










かなり込み入った話になって参りました。



もう少し深堀りさせてください(笑)。








簡易課税とは、



業種ごとに一律、一定割合が、納税すべき消費税(預り消費税)から



控除される、大きな黒字事業者にとってはとてもありがたい制度です。









2割特例か、簡易課税選択か、の判断ですが



一般的には2割特例のほうが有利なケースが多いです。





そのため、



2割特例の対象事業者の場合の上記ケース



そこまで気を付けることはないと考えています。







ただし、



簡易課税のほうが有利かも・・



などの場合、早めにご確認することをおススメします。



簡易課税選択は「届出」が必要となり、提出期限の問題があるからです。
















【その先の注意点:2割特例の対象事業者から外れた場合】



ココがこの記事で伝えたい2点目



忘れてしまうと怖い、重要な内容をご説明します。







ややムズカシイです・・








2割特例の期限は、



令和8年9月30日までの日の属する課税期間まで、です。







つまり、



法人の場合、



令和9年8月31日決算事業年度まで



適用することができます。












ところで



2割特例は、



・基準期間(2事業年度「前」)の課税売上高が



・1,000万円「超」の場合



・適用できません。










例えば、




・令和4年9月1日-令和5年8月31日の事業年度




・課税売上高が1,000万円を超えていた




この場合




少なくとも




・令和6年9月1日-令和7年8月31日の事業年度は




・2割特例を適用できません










この記事の投稿時点からすると



あと少しで開始される・・というケースです。











令和6年9月1日からの事業年度



2割特例は適用できない・・






何もしないと、




本則課税という課税方法になります。








本則課税は、



売上高より経費が多くかかってしまった、



赤字などの場合、有利になる可能性が高いですが



大きな黒字のときには、不利になります。









つまり、




この事業年度



大きな黒字予測であれば、




簡易課税が役立つのです











が・・












上記のとおり、届出期限の問題があり、





令和6年9月1日から簡易課税を適用する場合





今年は、8月30日までに届出の提出が必要となります。











あまり時間がない・・









しかも、これだけでなく




一度、



簡易課税選択(届出)すると



2年間は、簡易課税によって



消費税申告をしなければなりません。










つまり、



・令和6年9月1日からの期は「簡易」課税が有利



・令和7年9月1日からの期は「本則」課税が「超」有利かも・・



という場合









簡易課税選択の届出をした後では、



後者に対応できないため



熟慮したうえで



提出すべきか、






決断したいところです。













今回かなり長文になりました。




極端なケースとして、



今年9月1日の前までに、



どうすべきか、というケースを書きましたが






要は、



消費税についてはインボイスだけにとどまらず



事業の全体観で捉えた検討が必要





なので、時間に余裕をもった



事前対策が大切・・







こんなことが伝われば良いな、と考えております。







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