危険!国内源泉所得ってなに?本気で考えてみた。非居住者への支払い機会が増加中?

こんにちは。

東京都杉並区下井草、気軽な税理士、草野岳(くさのがく)です。




外国人の方にお手伝いしてもらい



その対価として支払いをするとき



所得税の源泉徴収が必要なのかどうか



けっこうややこしい判断が必要だったりします。









講演、パフォーマンス、



研究、データのやりとり、



自社のお手伝いをしてもらった



そういう機会が増えているように感じています。








あとで源泉徴収しなければならなかった



分かっても遅い、ということで、今回はコレについて






知っておくべき理由


・不意に必要な機会がおとずれる


・条文を理解するまでに時間がかかる


・非居住者というワードとセットで判断しなければならない








本題に入ります。



わかりやすく説明するため



条文は書かずに、わたしなりに表現します。



参考文献は最後に。








【国内源泉所得が問題になるケース】



日本に住所(登録)がなく、現在1年以上



日本に住む場所がない人(非居住者)に対して



日本でお手伝いしてくれたので支払いした(所得税法161条2号)



場合、所得税を源泉徴収したうえで、支払いをしなければなりません。








ポイントは



まず、



冒頭、外国人の方と書きましたが、



正確には外国人の方ではなく、非居住者に対しての支払いであること。




次に、



国内源泉所得とは、



国内でお手伝いや講演してくれた



ことに対して発生する支払いであること。






つまり、



国外でお手伝いしてくれた、は、対象外。






えっ、言うほどムズくない、





ということでは、ないんです(笑)・・







設問のようになりますが、



非居住者を前提として6つ




・日本で、動画撮影を手伝ってもらった


A日本国内で手伝ってもらったので源泉徴収する





・海外で、動画撮影を手伝ってもらった


A国外で手伝ってもらったので源泉徴収しない





・船の中で、動画撮影を手伝ってもらった


A領海外でも日本の船の中であれば源泉徴収する





・海外から、オンラインでアドバイスを受けた


A国外からアドバイスを受けたので源泉徴収しない





・海外チームに日本でのスポーツの試合をしてもらい

 選手への報酬を所属の海外チームに支払った


A日本国内で行った試合に対する選手への報酬なので源泉徴収する





・海外企業から海外チームの

 日本でのスポーツの試合を組んでもらい

 あっせんの手数料として海外企業に支払った


Aあっせんしてもらったのは国外から、なので、源泉徴収しない










(いったん整理)



国内源泉所得とは、



支払先が個人か法人か、という区別でなく



また、支払先が海外であるか、が決定打でもなく



日本国内といえる場所(領海外の日本の船の中を含む)



から生まれた稼ぎ(所得)のことを言い、その対価支払いには



源泉徴収が必要である、ということになります。









こんなケースも・・



非居住者が日本国内に賃貸物件をもっていて



その非居住者から物件を借りて、



賃料を支払う場合



源泉徴収する、



となります。








繰り返しになりますが、



日本国内といえる場所(国内物件)



から生まれた所得(賃料)に対しての



支払いとなるからです。








そう考えると、



冒頭、データのやりとり、と書きましたが



非居住者に、分析などしてもらいPDFで送ってもらう



こんなケースでは、



その分析をしてPDF送信してもらった場所が


・海外であれば源泉徴収しない


・国内であれば源泉徴収する


ということになると思います。






ただ、



分析は海外で、送信は日本で、だったらどうなるのでしょう?





なんとなくですが、



送信してもらわないと受信者は結果が分からないので



送信した国が日本であれば、源泉徴収する、となるのでは?



と考えてみたり






いや、



分析という核となる部分は、海外で行っているのだから



送信だけ日本でした、ということであれば源泉徴収しない?



となるのか、



事実認定をどうするのか、含め



判断が分かれるかもしれませんね。







視点を変えれば、



判断が分かれないように



必ず、送信まで海外からしてもらう、なんていう工夫



ありかもしれません。






なお、



租税条約といい、



日本と外国との間に条約が締結されている場合



これまで書いてきた内容よりも、租税条約が優先されますので、



判断する最初でも、最後でもよいと思いますので、租税条約の締結の有無



確認が必要です。








要は、



非居住者が



日本国内で得た所得について



所得税を取り損ねないように、



また、日本に住み、所得税を払っている人との



公平性を保つうえでも源泉徴収する、ということでしょう。



【参考文献】

・金子宏『租税法〔第18版〕』477頁ほか。(弘文堂、2013)

・中里実-増井良啓編『租税法判例六法〔第1版〕』159頁ほか。(有斐閣、2013)





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